05 December, 2014

起業支援@INSEAD

15JフォンティーのLHです。

INSEADの一年の中で勉強面が一番きついといわれているP2の期末直前ですが、張り切ってアップデートしちゃいます。



私はシリコンバレーで働くうちにスタートアップの世界に魅了され、入学直前のイギリス旅行でやっと自分が納得いくようなアイディアを思いついて以来起業モードてやってきましたので、今日は起業についてもっと掘り下げたいと思います。

US氏のポストにもあるように、INSEADは起業教育にかなり力を入れていて、クラブ、授業、ブートキャンプ、研究センター、とサポートがなかなか充実しています。また、卒業生の半分はキャリアのどこかで自分の会社を起こしているともいわれています。

クラブ:
INSEADのクラブは食いしん坊クラブから秘密結社まで様々ありますが、フォンテンブローで一番アクティブなのはなんといってもIEC (INSEAD Entrepreneurship Club) です。フォンティーキャンパスではMewsという素敵な空間がIECのホームとなっていて、毎週のように卒業生の起業家、ベンチャーキャピタリスト、エンジェル投資家がここに来ては自分の経験を語ったり、質問に答えたりしています。ほかにもPitch Labといって、学生が3分以内にまとめた自分のアイディアを話して教授やベンチャーの方からフィードバックをもらうセッションや、シリコンバレー風に自分の失敗談をシェアするCelebrating Failureや、アントレプレナーたちが自分のアイディアをほかのアントレ、コンサルや投資系の経験を持つ同級生に相談するBullet Proofingセッションなどといろんなイベントを主催しています。私を含めた15Jのリーダーシップは、先輩方が築いてきた活気が衰えないように、新しいイベントを企画推進したり、パリやベルリンのスタートアップを訪ねるトレックを組んだり、アントレプレナーシップウィークという、起業を盛り上げる週を計画したりしています。いろいろと野望はありますが、その中でも一番成功させたいのはなんといっても、学生が起業するにあたって一番の懸念である資金をエンジェル投資家やCrowd Fundingから集め、起業を支援するINSEAD アントレファンドの結成です。



授業:
P2に入るとマーケティングや戦略のクラスがスタートアップのケースを取り上げたり、Process & Operation Managementというクラスが最近のスタートアップの革新的なビジネスモデルについて詳しくキーワードにまとめて解説し、自分なりにアイディアを考える機会を与えてくれます。 INSEADの選択科目にもEntrepreneurship専門の授業がいくつもあり、一から新しいビジネスモデルを創造するクラスもあれば、会社の中で新しい分野を始めるCorporate Entrepreneurshipやプライベートエクイティを想定した、有限会社の買取りと再生や、最近注目されているサーチファンドのクラスもあります。それとは別に、US氏が前に詳しく紹介したEntrepreneurship Boot Campというたったひと週末で、スタートアップのピッチ、エクイティの分配、マーケット戦略、資金計画、実際に投資家へのピッチをまとめて実践的に教えてくれるプログラムもあります。学費とは別に料金を払う必要がありますが、起業未経験者なら絶対におすすめしたい内容です。実際にこのプログラムを卒業して学生が起ち上げたスタートアップで、今では一億ユーロの投資を確保し世界展開をしているものもあります。

研究センター:
INSEAD CENTER OF ENTREPRENEURSHIP (ICE) はINSEADの起業専門のリサーチやサポートをしている部署で、スタートアップ専門のキャリアフォーラムを開催したり、起業志望の学生が相談できるよう、アントレ関係のアドバイザーを定期的にキャンパスに招いたり(以前の記事でHH氏が紹介したEiR) もしています。

さて、自分の経験に戻りますが、実は先日のEiRセッションで半年前に始まったスタートアップを紹介されました。細かいところまで自分のアイディアと一致していたので、くやしいというより、一緒に仕事したいと思いました。今日、ぜひオランダのオフィスを訪ねたいとメールを送りましたので、返信が来ることを願います。

結構基本的なことですが、この半年間で起業について学んだことをまとめると、まず第一にアイディアは家でじっと座っていてもなかなか出てこない、ということです。外に行っていろんな話を聞いて、いろんな体験をすることから連想が始まります。第二にアイディアを話して、意見を聞くこと。現代人の生活はモノと情報の流通の発展に連れてどんどん似てきています。自分が思いついたアイディアはもう実践されている可能性が高いし、実践されていなくても誰かが似たようなものを思いついて実践しようとしていると思ってほぼ間違いありません。アイディアをパクられるのが心配で話さないでいると自分が見えていない盲点には気づかないし、亀のごとくのろのろとやっているとあっという間に世界のどこかにいるライバルに追い抜かれてしまいます。最後に、自分のアイディアがすでに実践されているからといって怖気つかないこと。Googleが初めてのサーチエンジンを創ったわけではないし、Facebookも元祖ソーシャルメディアではありません。すでにあるビジネスはどちらかというとコンセプトはもう実証されているので、クリティカルな改善や未展開の地域でローカルの環境に合わせで実践すれば安定したビジネスを創ることができます。

P.S: INSEADには学生が自発的に企画するイベントもたくさんあります。自国の文化を紹介したり、チャリティーコンサートを開いたりしていますが、最近TalkINという面白いイベントが始まりました。希望する学生が同級生に自分の人生経験について語るのですが、多様なバックグラウンドをもつ学生が集まるINSEADらしく、実に色々な経験を経てきた人たちの話を聞くことができます。その場を借りて、私もいろんな文化に挟まれて育った自分のアイデンティティについて話しました。時には涙がこぼれることもありますが、互いのことをもっと深く理解すると同時に、人間として成長するいい機会になっています。

長くなってしまいましたが、何かご感想や要望があれば、気軽にお寄せください。